しばしば、ビットコインの最高値更新に関する情報が流れます。テレビのニュースや各種SNSなどで、見聞きした経験をお持ちの方も多いでしょう。
ビットコインの価格はボラティリティ(変動率)が大きく、短期的には上下に激しく変動する場面があるものの、長期チャートを眺めると右肩上がりの傾向があり、上昇に転じた後は幾度となく過去最高値を更新してきました。「各年度の最高値は、どれくらいの金額なのだろうか」と気になっている方がいるかもしれません。
そこで、本記事では、各年度のビットコイン価格の最高値をご紹介します。ビットコインの誕生から現在に至るまでの価格推移を振り返ることは、今後のビットコイン価格を予想するうえで役立つでしょう。
ビットコインとは
ビットコインとは、「サトシ・ナカモト」と称する人物によって開発された世界初の暗号資産です。法定通貨(日本円・米ドル・ユーロなど)とは異なり、「マイニング」という仕組み(計算力を提供し、取引を検証・承認する作業)によって産出され、発行者・中央管理者は存在しません。
暗号資産の中で時価総額が最も大きい銘柄であり、投資対象として売買されるほかに、実店舗やECサイトで商品・サービスを購入する際の支払手段としても活用されています。
ブロックチェーン技術
ビットコインは、「ブロックチェーン」と呼ばれる技術によって支えられています。
ブロックチェーンとは、取引データのかたまり(ブロック)をチェーンのように連ねて記録する仕組みです。特定のサーバーで集中管理されるのではなく、ネットワークの参加者全体で分散管理されます。
2009年から2016年までのビットコインの価格推移
下表に、2009年から2016年までの各年ごとの最高値および主な出来事をまとめました。
2009年 | - 1月、ビットコインが誕生
- 10月、「New Liberty Standard」というサイト上で「1BTC=約0.07円」という価格が提示(マイニングにかかる電気代から算出)
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2010年 | - 7月、世界初のビットコイン取引所「Mt.Gox」がサービスを開始
- 一時的に、1BTC=約7円にまで値上がり
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2011年 | - 4月、TIME誌で特集が組まれ、認知度が上昇
- 5月~6月中旬頃、約1,500円に到達
- 6月、Mt.Goxがクラッキング被害を受け、年末には300円台まで価格が下落
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2012年 | - 11月、初の半減期を迎えた
- 11月下旬に、1,000円台まで価格が回復
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2013年 | - 12月、NHKがビットコインに関する特集を組む
- キプロス危機により、法定通貨を暗号資産に換える動きが顕著になり、12月中旬に一時的に12万円を突破
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2014年 | - 2月、Mt.Goxが再びクラッキング被害を受け、取引所が閉鎖されたことにより、1万8,000円前後まで急落する
- 複数のアメリカ企業がビットコインによる支払いに対応したことで、年末には約4万円にまで回復
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2015年 | - 6月、米国ニューヨーク州が、ビットコイン取扱事業者の免許制度「Bit License」を導入
- 10月、欧州司法裁判所が示した判断により、ビットコインが正式に支払手段として認められた
- 年末に約5万円まで上昇
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2016年 | - 5月、日本で改正資金決済法が成立
- 7月、2回目の半減期を迎えた
- 12月、価格が約11万円にまで上昇
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さまざまな出来事の影響で、価格が上下に激しく変動しつつも、長期的には右肩上がりの傾向であることが分かります。
2017年から2024年6月までのビットコインの価格推移
下表に、2017年から2024年までの各年ごとの最高値および主な出来事をまとめました(2024年に関しては6月末までの情報)。
2017年 | - 4月、改正資金決済法が施行
- 8月、ハードフォークにより、ビットコインキャッシュが誕生
- 多くの個人投資家および機関投資家の参入によって大量の資金が流入し、12月には一時的に200万円を突破して「暗号資産バブル」と形容される状況になる
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2018年 | - 年初は150万円前後の価格であったが、バブルが崩壊して急落
- 年間を通して下降局面が続き、12月の価格は30万円台
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2019年 | - 弱気相場が続いたが、4月にトレンドが転換し、一時的に約150万円にまで上昇
- 9月頃から再び下降トレンドに転換し、11月に中国政府が暗号資産取引に関する規制を強化したこともあり、約80万円にまで下落
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2020年 | - 1月、新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行が開始
- 3月、ビットコイン価格が一時的に50万円台にまで下落する
- 5月、3回目の半減期を迎えた
- その後、DeFi(分散型金融)が人気を博し、暗号資産市場全体が堅調に推移
- ビットコインの価格も上昇に転じ、年末にかけて130万円台にまで回復
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2021年 | - 「NFT」「レイヤー2」「DAO」などの技術・概念が広く知れ渡り、実利用が開始
- 3月、NFTアートが約75億円で落札
- 9月、エルサルバドルがビットコインを法定通貨として採用
- 11月、1BTC=約776万円に到達
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2022年 | - 2月、ロシアがウクライナへの侵攻を開始
- 11月、大手取引所「FTX Trading」を運営するFTXグループが破産を申請
- ネガティブな材料により、年間を通じて下降トレンドが続いた
- 年初に600万円台だった価格は、12月には200万円台にまで下落
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2023年 | - FTX破綻の影響が落ちつき、上昇トレンドに転換
- 12月、1BTC=約610万円にまで回復
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2024年 | - 1月、米国証券取引委員会(SEC)がビットコイン現物ETFを承認
- 3月、ビットコインの価格が1,000万円を突破
- 4月、4回目の半減期を迎えた
- 6月上旬、1BTC=1,120万円前後に到達(2024年6月末時点における史上最高値)
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ビットコインの価格は、今後も短期的な上下変動を繰り返しながら、長期的には上昇していくことが予想されます。
今後のビットコイン価格はどのように推移する?
未来を正確に言い当てることはできませんが、歴史を振り返ると、長期的には価格が上昇していく可能性が高いでしょう。暗号資産の市場は成長過程にあり、これから参入しても利益を出すことは可能です。
長期的な視点で資産形成を検討しているのであれば、短期的な価格の上下変動に一喜一憂せず、定期的に一定金額分のビットコインを購入し、積立投資を続けましょう。
ビットコイン現物ETFの上場
2024年1月に「ビットコイン現物ETF」の上場が米国証券取引委員会(SEC)に承認され、アメリカの証券会社で取り扱われるようになりました。
2024年7月時点においては、日本の証券会社では取り扱われていません。将来的には日本の証券会社でも取り扱いが開始される可能性があるので、動向を注視しましょう。
ビットコイン投資をするなら、損益計算をクリプトマネージで自動化しよう
ビットコイン投資で所得を得たら、税法に基づいて適正に確定申告・納税を行なわなければなりません。手作業で損益を計算するとミスが発生しやすく、多大な時間・労力を要するので、ITツールで自動化するほうが良いでしょう。
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監修者情報
水野総合FP事務所代表。キャリア20年超の現役トレーダー。相談、執筆・記事監修、講師、取材協力などマルチに活躍するファイナンシャルプランナー。
2003年、30歳で子どもの誕生を機に早期退職し、株式専業トレーダーに転身。これまでに年間最高売買代金350億円超、月間最高利益2414万円を達成。投資の収益で都内新築不動産を現金一括購入。
現在は独立系FPとして年間100名以上の個別相談に対応、月20本以上の執筆・監修に携わる。大学や事業法人などで講師を務め年80回登壇。学校法人専門学校では非常勤講師として「投資の授業」を毎週行う。
【保有資格】CFP®︎認定者|1級ファイナンシャル・プランニング技能士|宅地建物取引士|日本証券アナリスト協会検定会員補|証券外務員1種 他
【メディア掲載実績】毎日新聞|朝日新聞|中日新聞|東京新聞|朝日中高生新聞|物流産業新聞社|Yahoo!ニュース|女性自身|プレジデントオンライン|日本FP協会 他多数
水野総合FP事務所代表。キャリア20年超の現役トレーダー。相談、執筆・記事監修、講師、取材協力などマルチに活躍するファイナンシャルプランナー。
2003年、30歳で子どもの誕生を機に早期退職し、株式専業トレーダーに転身。これまでに年間最高売買代金350億円超、月間最高利益2414万円を達成。投資の収益で都内新築不動産を現金一括購入。
現在は独立系FPとして年間100名以上の個別相談に対応、月20本以上の執筆・監修に携わる。大学や事業法人などで講師を務め年80回登壇。学校法人専門学校では非常勤講師として「投資の授業」を毎週行う。
【保有資格】CFP®︎認定者|1級ファイナンシャル・プランニング技能士|宅地建物取引士|日本証券アナリスト協会検定会員補|証券外務員1種 他
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