暗号資産(仮想通貨)FXの税金について徹底解説!ほかの金融商品との違いもご紹介
暗号資産(仮想通貨)FXのトレードをするのであれば、税金のことも考えておく必要があります。取引で所得を得たら、税法に基づいて適正に確定申告・納税を実施しなければなりません。
本記事では、暗号資産FXのトレードをしている方や、これから取引を開始する予定の方に向けて、税金について徹底解説します。ほかの金融商品の税制との違いもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
暗号資産(仮想通貨)FXとは
暗号資産FXとは、業者に証拠金を預け入れたうえでトレードする差金決済取引で、ポジションの取得時と決済時の差額が損益として実現します。現物を売買するわけではありません。
以下は、暗号資産FXの特徴です。
- 現物を保有するわけではない
- 「売り」からでもエントリーできる
- レバレッジをかけられる
それぞれについて詳しく説明します。
現物を保有するわけではない
暗号資産FXでは、現物をやり取りしません。「買いポジション」を保有していても、現物ではないため、手元のウォレットに送金することは不可能です。
「暗号資産を手元のウォレットに送金し、そのまま保管したい」とお考えの場合は、現物取引を選択しましょう。
「売り」からでもエントリーできる
現物取引では、「買い」からエントリーする方法しか選択肢がありません。そのため、相場の下落局面では、購入時よりも低い価格で売却することを余儀なくされ、損失が発生する可能性があります。
しかし、暗号資産FXでは、「売り」からでもエントリーが可能なので、下落局面でも利益を出すことが可能です。
レバレッジをかけられる
レバレッジをかけられることも、暗号資産FXの魅力です。預け入れた証拠金の2倍までの金額を動かせるため、少ない元手資金しか用意できなくても、思惑通りに相場が動けば大きな利益を出せます。
ただし、思惑と反対の方向に相場が動いた場合、大きな損失を被るリスクがあることにご留意ください。
暗号資産FXで得た所得は原則として「雑所得」に区分される
暗号資産FXで得た所得は、原則として「雑所得」に分類されます。そして、ほかの所得(給与所得・事業所得など)と合算したうえで、所得額に応じた税率を乗じて税額が算出される(所得金額が大きくなるほど、税額も増大する)ことを覚えておきましょう。
なお、利益から必要経費(電気代・通信費など)を差し引いた金額が所得とみなされます。必要経費は、家事で利用した分を除外し、取引で使用した分のみを計上しなければなりません。パソコンの稼働時間・消費電力といった合理的根拠に基づいて按分しましょう。詳細に関しては、税務署や税理士にご相談ください。
給与所得者で確定申告が必要になるケース
給与所得者(会社員・公務員など)は、以下のいずれかに該当する場合、確定申告(確定申告書の雑所得欄に暗号資産FXによる所得額を記入し、税務署に提出すること)が必要になります(1ヶ所からのみ給与を得ていて、暗号資産FX以外の副業収入がないと仮定)。
- 年収2,000万円を超える給与所得者で、暗号資産FXで所得を得た
- 年収2,000万円以下の給与所得者で、暗号資産FXで20万円を超える所得を得た
なお、後者(2)のケースでも、「住民税の申告」は実施しなければなりません。申告方法の詳細は、各自治体の公式サイトでご確認ください。
ほかの金融商品の税制との比較
下表に、暗号資産FX・法定通貨FX・株式の税制の主な内容をまとめました。
金融商品の種類 | 課税方式 | 繰越控除 | 暗号資産FXとの損益通算 |
暗号資産FX | 総合課税 | 不可 | 可 |
暗号資産の現物取引 | 総合課税 | 不可 | 可 |
国内業者の法定通貨FX | 分離課税 | 可 | 不可 |
海外業者の法定通貨FX | 総合課税 | 不可 | 可 |
株式 | 分離課税 | 可 | 不可 |
繰越控除とは、年間の損益を計算して「損失」となった場合に、翌年以降3年間にわたって損失を繰り越せる仕組みです。株式や国内業者の法定通貨FXでは繰越控除が可能ですが、暗号資産FXでは繰越控除を受けられません。
なお、国内業者の法定通貨FXで損失が出た場合に受けられる繰越控除では、「先物取引に係る雑所得等の利益」から、損失分を差し引けます。FXのみに限らず、差金決済取引(CFD)で得た雑所得からも損失分を控除できることを覚えておきましょう。詳細は、国税庁公式サイトでご確認ください。
また、株式および国内業者の法定通貨FXの課税方式は、「分離課税」です。すなわち、これらで得た所得に係る税金に関しては、ほかの所得(給与所得など)と分離して税額の計算が実施されます。他方、暗号資産FXで得た所得の場合、ほかの所得と合算したうえで税額が計算される「総合課税」であることにご留意ください。
ただし、国内業者のFXの課税方式は、過去に総合課税から分離課税に変更されたという経緯があります。そのため、暗号資産FXの課税方式も、将来的に分離課税に変更されるかもしれません。定期的に国税庁公式サイトを閲覧し、暗号資産関連のニュースもチェックして最新情報の把握に努めましょう。
暗号資産FXで所得を得た場合の税金の計算方法
以下、「給与所得550万円の会社員が、暗号資産FXで50万円の雑所得を得たケース」について、どのくらいの税金が発生するのかを試算してみましょう。各種控除の金額は個々人で(扶養親族の人数などによって)異なりますが、ここでは所得控除の合計額が「100万円」、税額控除は「0円」だったと想定します。
この場合、合計所得額600万円から所得控除額100万円を差し引いた「500万円」が課税所得額です。そして、国税庁公式サイトに掲載されている「所得税の速算表」を参照すると、5,000,000円×0.2(税率)-427,500円(控除額)=572,500円が所得税額であると算出されます。
なお、暗号資産FXと現物取引の両方でトレードしている方がいるかもしれません。その場合は、暗号資産FXの記録と現物取引の記録を区別して損益を計算しなければならないことにご留意ください。暗号資産FXの売買データと現物取引の売買データ(例えば、「暗号資産FXでビットコインを売買した記録」と「現物取引でビットコインを売買した記録」)を混ぜて損益を計算してはいけません。
暗号資産のトレードをするなら、クリプトマネージで損益計算を自動化しよう
暗号資産のトレードをする際には、税金のことも考えておきましょう。確定申告に備えて、日々、取引の記録を作成し、記録に基づいて損益を計算しなければなりません。計算は手作業でも可能ですが、ミスが発生しやすく、多大な時間・労力を要するため、ITツールで自動化するほうが良いでしょう。
おすすめの損益計算自動化ツールは、株式会社イー・ラーニング研究所の「クリプトマネージ」です。暗号資産の専門知識を有する税理士が開発に携わっており、移動平均法・総平均法のいずれでも計算できます。なお、最新の税法に合わせて随時計算ロジックが改訂されるので安心です。
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