ビットコイン(BTC)の仕組みがわかる!暗号資産の基礎を初心者向けに徹底解説!

更新日:2024/5/10 公開日:2023/9/26

10年前であれば、ごく少数の人しか存在を知らず、売買する手段も限られていた「ビットコイン」。2024年4月時点では、32の企業が暗号資産交換業者として金融庁に登録されており、スマートフォンなどで気軽にトレードできる状況になりました。

しかし、「ビットコインという名称は見聞きしたことはあるけれども、詳しい仕組みは理解できていない」という方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、ビットコインの誕生の経緯をご紹介したうえで、基盤技術である「ブロックチェーン」やビットコインの特徴・仕組みを詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

ビットコインの誕生

ビットコインとは、分散型台帳技術の一種である「ブロックチェーン」によって実現されているデジタル通貨です。法定通貨の「日本円」であれば「日本銀行」という発行者が存在しますが、ビットコインには発行者や中央管理者が存在しません。

ビットコインの歴史は、2008年10月に「Satoshi Nakamoto(サトシ・ナカモト)」と名乗る素性不明の人物がインターネット上に「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」というタイトルの論文をアップロードし、2009年1月に最初の1枚(ジェネシスブロック)が生成されてスタートしました。

電子マネーとの違い

ビットコインも電子マネーも、「物理的実体(紙幣や硬貨)を有さないデジタル通貨」という点は共通しています。しかし、下表に示すような違いもあることを理解しておきましょう。

 

ビットコイン

電子マネー

  • 発行主体が存在しない
  • 法定通貨による裏付けがない
  • 世界中で利用できる
  • 取引所で売買できる
  • 発行主体が存在する
  • 日本円をチャージして使用する
  • 加盟店でしか利用できない
  • 取引所で売買できない

 

なお、「電子マネー」には「マネー」という単語が含まれていますが、通貨ではなく、「支払決済手段」であることにご留意ください。

ブロックチェーン技術

ブロックチェーンとは、P2P(ピア・ツー・ピア)ネットワークの各ノード(参加者)によって、取引データを分散管理する仕組みです。なお、各ノードが相互に監視をすることで、データの改竄や二重取引を防止しています。

「ブロックチェーン」という名称は、取引データをひとまとめにした「ブロック」を「チェーン」のように繋げることに由来することを覚えておきましょう。

ちなみに、ブロックチェーンに新しい取引データを繋げる際に、膨大な計算によって間違いや不正がないことを検証し、対価として新規に生成されるビットコインを受け取る行為を「マイニング」と呼びます 。

 

マイニング

マイニングでは、複雑な計算を実行する必要があります。各ブロックで、最初に計算を完了させた個人・グループだけが、報酬のビットコインを獲得できます。

なお、マイニングの方法は以下の3種類に大別されます。

•    ソロマイニング
•    プールマイニング
•    クラウドマイニング

ソロマイニングは、ご自身で機材を用意し、マイニングを実施する方法です。ハードウェアに関する専門知識が必要で、高額な初期費用がかかります。資金力のあるマイナーが集まっている暗号資産ほど難易度が高く、世界中の企業との計算競争に個人で勝つことは困難なので、ほかの方法を選択するほうが良いでしょう。

プールマイニングは、ご自身で機材を用意したうえで、複数人のグループ(マイニングプール)で計算力を提供し合ってチームとしてマイニングを実施する方法です。大規模な計算能力を得られるため、成功確率は高まりますが、マイニング報酬は計算能力に応じてチーム内で分配されます。

クラウドマイニングは、事業としてマイニングを実施している企業に出資し、配当としてマイニング報酬を受け取る方法です。ご自身でマシンを用意する必要はありませんが、過去には出資金を騙し取られるマイニング詐欺事件があったため、マイニング運営者の見極めが必要になります。
 

ビットコインの特徴・仕組み

以下は、ビットコインの主な特徴・仕組みです。

  • 発行者・管理者が存在しない
  • 取引の記録が分散保管されている
  • 発行枚数に上限がある

それぞれについて詳しく説明します。加えて、ビットコインの公式ウォレットである「Bitcoin Core」もご紹介するので、利用する際の参考にしてください。

発行者・管理者が存在しない

ビットコインは、マイニングによって生成されます。法定通貨(日本円、米ドル、ユーロなど)とは異なり、中央銀行(日本銀行など)のような発行主体が存在しません。

中央集権的な管理者がいないことが、ビットコインの特色です 。

取引の記録が分散保管されている

電子マネーやスマートフォン決済サービスの残高や取引履歴は、発行主体の企業のサーバー内で管理されています。

しかし、ビットコインの取引履歴は、どこかの1ヶ所のサーバーに保管されているのではなく、P2Pネットワークのノードに分散保管されているため、一部のノードのパソコンが故障しても全体がダウンする心配はありません。

発行枚数に上限がある

法定通貨の場合、中央銀行が通貨の供給を増やすことが可能です。経済政策の一環で供給量を調整することは、しばしば行われています。

それに対してビットコインの場合、プログラムによって発行上限枚数が「2,100万枚」と決められており、次第にマイニングで取得しにくくなっていくことを把握しておきましょう。

公式ウォレット「Bitcoin Core」

ビットコインには、「Bitcoin Core」という名称の公式ウォレットが存在します。ビットコインの取引・保管をするためのオープンソースプログラムであり、誰でも無料で利用できるので、ダウンロードしてはいかがでしょうか。

なお、Bitcoin Coreをインストールしているパソコンは、P2Pネットワーク上の「ノード」として動作させることが可能です。

 

ビットコインの購入方法

家族・友人から対面で受け取る方法もありますが、暗号資産交換業者で購入する方法が主流です。以下に、暗号資産交換業者で購入する流れを示します。

1.    暗号資産交換業者の口座を開設する
2.    法定通貨を入金する
3.    ビットコインを購入する
4.    手元のウォレットに送金する(業者の口座で保管することも可能

詳細は、各業者の公式サイトでご確認ください。

 

マイニングで入手することも可能

上述したように、マイニングでビットコインを獲得することも可能ですが、ソロマイニングやプールマイニングの場合は、ハイスペックなマシンを用意しなければなりません。クラウドマイニングの場合は、マシンを用意する必要はありませんが、「信用できる業者かどうか」を判断するのに労力・時間を要します。

手軽に入手したいのであれば、暗号資産交換業者を利用しましょう。

ビットコインの長所

以下は、ビットコインの長所です。

  • 銀行や決済業者を介さず、個人間で直接送金できる
  • 実店舗やWebサイトで支払いに利用できる
  • 出来高が大きく、取引所で売買しやすい

それぞれについて詳しく説明します。

銀行や決済業者を介さず、個人間で直接送金できる

法定通貨を誰かに送金する場合、銀行や決済サービス(PayPayなど)を利用する必要があります。口座・アカウントを持っていない相手に対しては、送金できません。

しかし、ビットコインなら、口座・アカウントを持っていない相手に対しても、ウォレットからウォレットに直接送付できます。第三者の介在なしで送金できることが魅力です。

 

実店舗やWebサイトで支払いに利用できる

ビットコインは、実店舗やWebサイトで支払手段として利用できます 。日本の場合、家電量販店の「ビックカメラ」が、ビットコインでショッピングできる店舗の代表例です。

クレジットカードを保有するためには「審査」に通過しなければなりませんが、ビットコインなら、誰からも許可を受けることなく保有できます。

 

出来高が大きく、取引所で売買しやすい

暗号資産交換業者によっては、「販売所形式(業者と利用者が売買する形式)」と「取引所形式(利用者同士で売買する形式)」の2種類のサービスを提供していることがあります。取引所形式の場合、取引相手が見つからなければ、売買が成立しません。

ビットコインは、出来高が大きく 、取引所で注文を出してから取引が成立するまでに要する時間が、ほかの暗号資産銘柄に比べて短い傾向があります。「トレードを繰り返して利益を得たい」という方には、ビットコインがおすすめの銘柄です。
 

ビットコインの短所

ビットコインには、以下に示すような短所もあることにご留意ください。

  • 価格が激しく変動する
  • スケーラビリティ問題がある

それぞれについて詳しく説明します。

価格が激しく変動する

ビットコインの値動きは、法定通貨よりも激しい傾向があります。急激に価格が下落して売却のタイミングを逃すと、塩漬けのまま持ち続けることになりかねません。

例えば、2021年10月に61,359米ドルで1BTCを購入し、保有したまま時間が経過したケースを想定しましょう。その後、ビットコインの価格は暴落し、2022年12月には1BTC=16,528米ドルの水準になり、しばらく低調な時期が続きます。

価格が回復し、高値を更新するのは2024年2月下旬になってからです。つまり、このケースでは、売却して利益を出すためには、2年以上の月日が経過する必要がありました。

なお、暴落しても、時間が経過すれば再び価格が上昇することが予想されるため、長期保有を目的としている場合は値動きに一喜一憂するべきではありません。しかし、短期的に利益を出したいのであれば、常に値動きを把握しておくべきです。

 

スケーラビリティ問題がある

スケーラビリティ問題(取引量が増えた際に、送金(トランザクションの承認)に時間がかかったり取引手数料が高騰したりする問題)を抱えていることも、ビットコインの短所です

ただし、「ライトニングネットワークが普及すれば、スケーラビリティ問題が解決する」と期待されているので、動向を注視しましょう。なお、ライトニングネットワークとは、ブロックチェーンの外部(オフチェーン)でトランザクションを処理し、ブロックチェーンの負荷を軽減する技術です。

 

ビットコインに関するFAQ

以下、ビットコインに関する「よくある質問」と、それに対する「回答」をご紹介します。

ビットコインは、現在、何円くらいで購入できる?

2024年4月12日時点では、おおよそ1BTC=1,077万円前後の価格です。なお、ビットコインの価格は、常に変動していることにご留意ください。

チャートを確認し、価格が割安になったタイミングで購入することも検討しましょう。

 

手元のウォレットで保管する場合の注意点は?

ビットコインは、暗号資産交換業者の口座で保管する以外に、手元のウォレットで保管することも可能です。秘密鍵が読み取れなくなる状況に陥らないように、厳重に管理しましょう

なお、パソコンやスマートフォン、UBSメモリの場合は、故障・紛失リスクがあります。ペーパーウォレットの場合は、故障はしませんが、紛失・焼失のリスクや印刷した文字が読めなくなるリスクはあるのでご注意ください
 

クリプトマネージなら、ビットコインの損益計算を自動化できる!

ビットコインの売買で所得を得たら、税法に基づいて適切に対応(確定申告・納税)をしなければなりません。確定申告をするためには、取引履歴データから損益計算を行う必要があります。手作業で実施することも可能ですが、多大な時間・労力を要し、計算ミスや転記ミスといったヒューマンエラーも発生しやすくなります。自動的に利益を計算してくれるツールを利用するほうが良いでしょう。

おすすめは、株式会社イー・ラーニング研究所の「クリプトマネージ」を利用することです。取引所の取引履歴をアップロードするだけで、クリプトマネージが損益を自動計算してくれます。

暗号資産の専門知識を持つ税理士が開発に携わっており、税務調査に耐えうる取引履歴データの作成が可能で、最新の税法に合わせて随時計算ロジックを自動改正されるので、安心してご活用ください。

クリプトマネージは、9,400種類の銘柄、国内・海外の主要取引所に対応しています。そして、売買のデータだけではなく、マイニングやハードフォークなどのデータにも対応し、損益・残高情報のグラフ表示もできるので、「一元的に暗号資産を管理したい」とお考えの方に適したツールと言えるでしょう。

監修者情報
水野 崇(CFP®︎ / 1級FP技能士) HP
水野総合FP事務所代表。キャリア20年超の現役トレーダー。相談、執筆・記事監修、講師、取材協力などマルチに活躍するファイナンシャルプランナー。

2003年、30歳で子どもの誕生を機に早期退職し、株式専業トレーダーに転身。これまでに年間最高売買代金350億円超、月間最高利益2414万円を達成。投資の収益で都内新築不動産を現金一括購入。

現在は独立系FPとして年間100名以上の個別相談に対応、月20本以上の執筆・監修に携わる。大学や事業法人などで講師を務め年80回登壇。学校法人専門学校では非常勤講師として「投資の授業」を毎週行う。

【保有資格】CFP®︎認定者|1級ファイナンシャル・プランニング技能士|宅地建物取引士|日本証券アナリスト協会検定会員補|証券外務員1種 他
【メディア掲載実績】毎日新聞|朝日新聞|中日新聞|東京新聞|朝日中高生新聞|物流産業新聞社|Yahoo!ニュース|女性自身|プレジデントオンライン|日本FP協会 他多数
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2003年、30歳で子どもの誕生を機に早期退職し、株式専業トレーダーに転身。これまでに年間最高売買代金350億円超、月間最高利益2414万円を達成。投資の収益で都内新築不動産を現金一括購入。

現在は独立系FPとして年間100名以上の個別相談に対応、月20本以上の執筆・監修に携わる。大学や事業法人などで講師を務め年80回登壇。学校法人専門学校では非常勤講師として「投資の授業」を毎週行う。

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