暗号資産(仮想通貨)のエアドロップとは?仕組みや具体例、注意点をご紹介!
暗号資産(仮想通貨)に興味・関心がある方は、「エアドロップ」という単語を見聞きした経験をお持ちかもしれません。エアドロップは、暗号資産を入手する方法のひとつです。取得するための条件や、注意するべき点を正確に理解しておきましょう。
本記事では、エアドロップについて詳しく解説します。過去に実施されたエアドロップの具体例もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
暗号資産(仮想通貨)を獲得する手段のひとつに「エアドロップ」がある
暗号資産は、「マイニングする」「暗号資産交換業者経由で購入する」「友人・知人から貰う」といった方法のほかに、「エアドロップ」でも入手できます。エアドロップとは、企業や取引所などが設定した条件を満たすことで暗号資産を無料で獲得できるイベントです。
新規に発行される銘柄の知名度を向上させることを目的として、しばしばエアドロップが実施されています。資金を用意しなくても暗号資産を入手できるチャンスなので、エアドロップの情報を見逃さないようにしましょう。
エアドロップで暗号資産を取得するための条件
以下は、エアドロップで暗号資産を取得するための主な条件です。
- 指定されたブロック高のタイミングで、特定銘柄の暗号資産を保有している
- 特定のサービスや暗号資産交換業者を利用する
- SNSなどで投稿を実施する
上記のうち、1のみが条件とされているケースが大多数ですが、2や3が条件になっている場合もあるので、エアドロップされる銘柄の公式サイトなどで詳細を確認しましょう。
スナップショットとは?
上述したように、エアドロップで暗号資産を取得するためには、「指定されたブロック高」の時点で特定銘柄を保有していなければなりません。この「指定されたブロック高」におけるブロックチェーンの内容(各アドレスの保有量など)を記録する行為を「スナップショット」と呼びます。
例えば、「1万ブロックになったタイミングでA銘柄を保有している方に対し、A銘柄100枚につきB銘柄を1枚付与する」という条件でエアドロップが実施されるケースを想定しましょう。
仮に「2024年1月10日午前9時30分」に1万ブロックに到達したのであれば、そのタイミングにおけるA銘柄のブロックチェーンの内容がスナップショット実施者によってチェックされ、条件を満たしていればA銘柄の保有枚数に応じた数量のB銘柄が配布されることになります。
エアドロップの具体例
ここからは、過去に実施されたエアドロップの具体例として、「フレア(FLR)」と「APENFTトークン」のケースをご紹介します。
フレア(FLR)
フレア(FLR)は、フレアネットワーク(Flare Networks)上でガバナンス投票などに利用できるトークンです(以前は、「Sparkトークン」と呼称)。
2020年8月10日に「XRPの保有者に対してトークンを付与する」とアナウンスされ、2020年12月12日のスナップショット実施時点でXRPを保有していた方に対し、2023年1月9日にフレアが配布されました。
APENFTトークン
APENFTトークンは、NFT関連プロジェクト「APENFT」のガバナンストークンです。
2022年6月から2023年6月までの期間中、毎月10日21時(日本時間)に実施されるスナップショットにおいて100枚以上のTRON(TRX)を保有している方に対し、APENFT FoundationからAPENFTトークンが配布されました。
エアドロップに関する注意点
以下は、エアドロップによって暗号資産を受け取るうえで注意するべき点です。
- 日本国内の暗号資産交換業者で売買できない場合がある
- 「所得」とみなされ、課税対象となるケースがある
- 詐欺目的で「エアドロップの実施」をアナウンスする悪質な行為も散見される
それぞれについて詳しく説明します。
日本国内の暗号資産交換業者で売買できない場合がある
暗号資産交換業者によっては、エアドロップに対応してくれない場合もあるのでご注意ください。各業者の公式サイトの記述に目を通したうえで、パソコンやスマートフォンのウォレットに暗号資産を移してスナップショットに備えることも検討しましょう。
また、エアドロップによって獲得した暗号資産は、マイナーな銘柄が多いため、日本国内の暗号資産交換業者では売買できないこともあります。受け取った銘柄を売却したいのであれば、海外業者やDEX(分散型取引所)を利用するしかないケースもあることを認識しておきましょう。
「所得」とみなされ、課税対象となるケースがある
エアドロップによって取得した暗号資産は、「所得」とみなされるケースと、みなされないケースがあります。
付与されたタイミングで上場しておらず、市場価格が形成されていない場合、「取得した時点の価格はゼロ」となり、売却しない限りは「所得を得た」とはみなされません。
しかし、すでに上場している銘柄が付与された場合は、その時点における市場価格から必要経費を差し引いた金額が所得とみなされ、課税対象となることにご留意ください。
詐欺目的で「エアドロップの実施」をアナウンスする悪質な行為も散見される
エアドロップで暗号資産を受け取る際には、「詐欺」の被害に遭うリスクがあることに注意しなければなりません。
単に「いつも使っているウォレットのなかで、特定の銘柄の暗号資産をスナップショットの時点で保有している」という条件であればリスクはありませんが、「秘密鍵・パスワードを聞き出そうとする」「別のウォレット・取引所に保管するように誘導してくる」「メールアドレスなどの個人情報を求めてくる」といった場合は、慎重に見極める必要があります。
海外の団体が実施するエアドロップに関しては、詐欺であるかどうかを見極めるために、実施する団体の公式サイトを閲覧し、他言語(英語など)で記述された文章を読解しなければなりません。自信がない場合は、「日本国内の暗号資産交換業者が対応しているエアドロップにのみ参加する」という方針を採用するほうが良いでしょう。
エアドロップで暗号資産を獲得したら、クリプトマネージで管理しよう
エアドロップは、無料で暗号資産を入手できる機会です。ただし、エアドロップの態様によっては(取得した時点で上場しており、市場価格が形成されている銘柄の場合は)、「所得」とみなされ、課税対象となる可能性があります。エアドロップによって暗号資産を入手するのであれば、確定申告や納税に備えて、記録を作成しておかなければなりません。
なお、手作業で記録を作成することも可能ですが、ヒューマンエラーが発生しがちです。そのため、株式会社イー・ラーニング研究所が開発・提供しているITツール「クリプトマネージ」を活用して、エアドロップで獲得した暗号資産を管理することをおすすめします。
クリプトマネージの開発には暗号資産の専門知識を持つ税理士が携わっており、最新の税法に合わせて随時計算ロジックを改定され、税務調査に耐えうる取引履歴データを作成することが可能です。
暗号資産の売買やエアドロップだけではなく、マイニングやICO投資、ハードフォーク、レンディング、DeFiなどにも対応しているので、利用を検討してはいかがでしょうか。