NFTとは?代表的なトークン規格や活用事例、取引方法を詳しく解説!
最近、「NFT」という単語を見聞きする機会が急増しました。「代替不可能なトークン」のことですが、「意味が良く分からない」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
そこで、本記事では、NFTがどのようなものなのかを詳しく解説します。準拠されることが多いトークン規格や、NFTの主な活用事例、取引する方法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
NFTとは?
NFTとは、ブロックチェーン技術を基盤に作成された代替不可能なトークンのことです。「Non-Fungible Token」の略であり、日本語では「非代替性トークン」と訳されます。
代替不可能(Non-Fungible)とは、「唯一無二の価値を有し、ほかのものと交換できない」という意味です。例えば、著名な美術作品(ゴッホの本物の絵画など)や有名人のサインは1点ものであり、コピーした作品・サインは「偽物」とみなされます。サイン付きのシャツは、サインがないシャツと同等ではなく、代替不可能です。
それに対し、「大量生産されたTシャツ」「ビットコイン」「500円玉」などは代替可能(Fungible)であり、例えば、ある人が保有している1BTCは、別の人が保有している1BTCと同等であり、交換しても価値は変わりません。
NFTは、耐改ざん性に優れたブロックチェーン技術を用いて、デジタルデータを代替不可能なトークンにしたものであり、後述するように、「ゲームのデータ(キャラクターやアイテム)」など、さまざまな分野・領域で活用されています。
多くのNFTは、イーサリアムのトークン規格に準拠している
NFTの多くは、イーサリアムのブロックチェーンのトークン規格に準拠しており、主に「ERC721規格」と「ERC1155規格」が用いられています。なお、ERCとは「Ethereum Request for Comments」の略で、規格ごとに固有の番号が割り当てられていることを把握しておきましょう。
以下、2つの規格の違いをご紹介します。
ERC721規格
ERC721規格は、トークンにさまざまな情報を付加してNFTを発行するための標準的な規格です。
数多くのNFTが、規格としてERC721を採用していますが、「1つのコントラクトで1つのトークンしか作成・管理できない」という問題があります(この問題を解決するために提案されたのが「ERC1155規格」)。
ERC1155規格
ERC1155規格は「Fungibleなトークンを発行するためのERC20規格」と「NFTを発行するためのERC721規格」の両者の特徴を兼ね備えたハイブリッドな規格であり、1つのコントラクトで、Fungibleなトークンも、Non-Fungibleなトークンも作成できます。また、1つのトランザクションで複数のトークンを同時に送信可能で、送信手数料を節約できることも魅力です。
なお、ERC1155規格は、ブロックチェーン資産発行プラットフォーム(主にブロックチェーンゲームの作成・管理を遂行するために活用されているプラットフォーム)である「Enjin Platform」を開発しているEnjin社のWitek Radomski氏によって考案されました。
NFTの主な活用事例
以下は、NFTの主な活用事例です。
- ブロックチェーンゲーム
- デジタルアート
- コレクション用アイテム
それぞれについて詳しく説明します。
ブロックチェーンゲーム
通常のオンラインゲームの場合、キャラクターやアイテムはゲーム運営企業のサーバー内に保存されているデータであり、ゲーム外でプレイヤーが自由に売買できません。
しかし、ブロックチェーン上の分散型アプリケーション(DApps)として開発された「ブロックチェーンゲーム」であれば、キャラクターやアイテム(武器など)がNFTになっており、プレイヤーの「資産」として売買することが可能です。
例えば、『CryptoKitties』というブロックチェーンゲームでは、かわいらしい猫のキャラクターのNFTが人気を博しており、1,000万円を超える価格で取引される事例も見受けられます。
デジタルアート
デジタルアートも、NFTの主要な活用方法です。従来のデジタルアートは簡単にコピーでき、コピーを繰り返しても劣化しなかったため、「1点ものとしての希少価値」を有しませんでした。
しかし、NFTを活用したデジタルアートなら、「コピーではない本物の作品を所有している」と証明することが可能です。そのため、アナログアート(絵画、彫刻など)と同様に高値で取引されるようになり、2021年3月にはデジタルアーティストBeepleのNFTアート「EVERYDAYS: THE FIRST 5000 DAYS」が約75億円で落札されています。
コレクション用アイテム
NFTは、「コレクション用アイテム」としても活用されています。従来、「絵画」「時計」「スニーカー」「お酒」など、収集用のアイテムは「物理的な実体」があるものに限定されていました。しかし、今後は「NFT」も収集用アイテムとしての地位を確立するかもしれません。
例えば、日本郵便では、NFT販売プラットフォーム「楽天NFT」において切手の原画をNFT化した収集用アイテムを販売していますが、しばしば売り切れになることがあり、人気の高さが伺えます。
NFTを取引する方法
NFTを売買したい場合は、NFTマーケットプレイス(個人間でNFTを売買できるサービス)を利用しましょう。なお、国内や海外に数多くのマーケットプレイスが存在しますが、海外業者のサービスは言語や法律の面でハードルが高いので初心者には推奨できません。
NFT投資の初心者は、日本国内に拠点がある業者のサービス(「Coincheck NFT」「楽天NFT」など)を利用するほうが良いでしょう。
基本的に暗号資産で売買する
NFTは、基本的に法定通貨ではなく暗号資産(主にイーサリアム)で売買されます。購入したいNFTがある場合は、まずは暗号資産交換業者を利用して、日本円を暗号資産に交換しておきましょう。
暗号資産を入手したら、マーケットプレイスに出品されているNFTを購入できるようになります。逆に、ご自身が保有しているNFTを出品・販売し、暗号資産を獲得することも可能です。
なお、マーケットプレイスによっては、法定通貨(日本円)で売買できるケースもあります。暗号資産で売買することに慣れていない方は、日本円(クレジットカード払いなど)に対応しているサービス(例えば、「楽天NFT」や「Adam byGMO」)を利用してみてはいかがでしょうか。
NFTの売買を行う際には、税金のことも考えておこう
NFTを売買し、利益として暗号資産(イーサリアムなど)を受け取ったら、必要経費を差し引いた金額が「所得」とみなされ、税法に基づいて適切に確定申告・納税をしなければなりません。
暗号資産の増減の管理や損益の計算を手作業で実施すると、多大な時間・労力を要し、計算ミスや転記ミスも発生しやすくなります。そのため、株式会社イー・ラーニング研究所のITツール「クリプトマネージ」で損益計算を自動化しましょう。
暗号資産の専門知識を有する税理士が開発に携わっており、収支計算と時価に連動した資産管理が可能なので、ぜひご活用ください。