暗号資産(仮想通貨)の税金に抜け道はある?利益を得たとみなされるタイミングや多種多様な節税策などを紹介

更新日:2026-06-26

暗号資産(仮想通貨)で所得を得たら、税法に基づいて確定申告・納税を行いましょう。「税金を納めたくない」と感じている方がいるかもしれませんが、納税は国民の義務であり、「抜け道」のようなものはありません。ただし、合法的な節税策は存在するので、事前に把握しておくことをおすすめします。

本記事では、暗号資産投資の初心者に向けて、税金に抜け道がないことを解説した上で、多種多様な節税策をご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

暗号資産(仮想通貨)で所得を得たら、税法に基づいて確定申告・納税を!

日本国憲法第30条において、「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」と定められています。そのため、暗号資産取引で所得を得たら、税法に基づいて確定申告・納税を行わなければなりません

スムーズに確定申告をするために、日頃から売買の記録を作成するように心がけ、必要経費(電気代、通信費など)を計上する場合は「領収書」を保管しておきましょう。

暗号資産で利益を得たとみなされるタイミング・条件

以下は、暗号資産で利益を得たとみなされるタイミング・条件です。

  1. 暗号資産を売却したケース
  2. 別の銘柄に交換したケース
  3. 決済手段として利用したケース
  4. マイニング・ステーキングなどで取得したケース

それぞれに関して詳しく説明します。

なお、所得税は所得(正確には、所得から所得控除を差し引いた金額)に対して課される仕組みであり、所得とは「収入から必要経費(電気代など)を差し引いた金額」です。

①暗号資産を売却したケース

購入時の価格よりも高い価格で暗号資産を売却すると、差額が利益とみなされます。

例えば、レートが「1BTC=700万円」の際にビットコイン1BTCを購入し、レートが「1BTC=1,000万円」の際に1BTCを売却した場合は、差額の300万円が利益です。

②別の銘柄に交換したケース

別の暗号資産に交換した場合も、取得時よりも値上がりしていれば、差額が利益とみなされます。

例えば、レートが「1BTC=500万円」の際に1BTCのビットコインを購入し、レートが「1BTC=1,100万円」の際に全量をイーサリアムに交換すると、差額の600万円が利益です。

③決済手段として利用したケース

店舗・ECサイトによっては、暗号資産で商品・サービスの購入代金を支払うことが可能なケースも見受けられます。暗号資産を決済手段として用いた場合、決済時の価格が取得時の価格よりも高ければ、差額が利益とみなされます。

例えば、レートが「1BTC=500万円」の際に0.1BTC(50万円相当)のビットコインを取得し、レートが「1BTC=1,000万円」の際に100万円の商品を購入するために0.1BTC(100万円相当)で決済すると、差額の50万円が利益です。

④マイニング・ステーキングなどで取得したケース

マイニング・ステーキング・レンディング・エアドロップなどで暗号資産を取得した場合は、取得時点の市場価格が利益とみなされます。

なお、上述したように、所得は収入から必要経費(電気料金や機材の購入費用など)を差し引いた金額です。必要経費を正確に計算するために、電気使用量やパソコンの利用時間などの記録を作成し、領収書を保管しておきましょう。その上で、「私生活で利用した割合」は除外して「マイニング・ステーキングなどで利用した割合」のみの金額を経費として計上しなければなりません。

ハードフォークで暗号資産を取得したケースに関しては、取得した時点では市場価格が形成されていないため、利益がゼロとみなされます。後日、売却したり別の暗号資産と交換したり決済手段として利用したりした際には、その時点での市場価格で利益を得たとみなされることに注意しましょう。

暗号資産の税金に抜け道はない

税務署は、銀行や暗号資産交換業者などに対して、出入金記録や取引履歴の照会を実施する権限を有しています。そのため、「無申告でもバレないだろう」などと考えるべきではありません。

税金に「抜け道」のようなものは存在しないと認識しておきましょう。納めるべき税金が発生しているにもかかわらず、確定申告・納税を行わなかった場合、さまざまなペナルティを受ける可能性があるのでご注意ください。

合法的な節税策は存在する

上述したように、税金に「抜け道」は存在しませんが、合法的な節税策であれば講じることが可能です。

「税法に関する知識がなく、税理士に依頼する費用も捻出できないので、節税は難しい」と感じる方もいるでしょう。しかし、必ずしも「税理士に依頼しなければ節税ができない」というわけではありません。ご自身で実行できる節税策も多いので、どのような手法があるのかを事前に把握しておきましょう。

【関連記事】暗号資産(仮想通貨)税制について徹底解説!一定金額以上の利益が出たら確定申告を行おう

暗号資産の取引をする方が知っておくべき節税策

暗号資産の取引をするのであれば、以下に示す節税策について理解を深めておきましょう。

  • 暗号資産以外の雑所得と損益を通算する
  • 経費を漏れなく計上する
  • 所得控除・税額控除を受ける
  • 給与所得者の場合は所得を20万円以下に抑える
  • 個人事業主になる
  • 法人化(会社を設立)する

それぞれについて詳しく説明します。

暗号資産以外の雑所得と損益を通算する

原則として、暗号資産の取引で得た所得は「雑所得」に分類され、総合課税の対象となります。そして、「雑所得」かつ「総合課税」の対象となるものとの損益通算が可能です。

例えば、「アフィリエイト広告で稼ぐためにWebサイトを運営しているものの、通信機器やソフトウェアなどの費用で赤字になった」という場合は、損益通算を行って雑所得の金額を圧縮するとよいでしょう。

以下のケースについて、損益通算のシミュレーションを実施します。

  • 暗号資産の売買で50万円の雑所得を得た
  • アフィリエイト広告による売上が30万円あったものの、パソコン購入費や電気代などで合計45万円の経費がかかっており、15万円の赤字が発生した

この場合、損益通算する(50万円から15万円を差し引く)ことで、雑所得の金額を35万円に圧縮可能です。

経費を漏れなく計上する

必要経費を漏れなく計上することも、節税につながります。パソコンやモニターの購入代金、電気代や通信費、書籍費など、暗号資産の売買をするために必要な物品・サービスを購入した場合は、それらの経費を収入から差し引いて所得額を算出しましょう。領収書は、紛失したり汚れたりしないように、厳重に保管してください。

なお、経費は、「家事で使用した分」を除外し、「暗号資産の取引で使用した分」のみを計上しなければなりません。機器の利用時間や消費電力などに関する記録を作成し、どのくらいの割合で按分するべきなのかを慎重に検討しましょう。

以下のケースについて、家事按分に関するシミュレーションを実施します。

  • 暗号資産の取引だけではなく、プライベートでも利用するパソコンを10万円で購入した(暗号資産取引での利用時間は全利用時間の2割で、プライベートでの利用時間は全利用時間の8割だった)
  • 通信費が1年間で10万円かかった(暗号資産の取引でインターネットにアクセスした時間は全利用時間の1割だった)

この場合、パソコン購入費10万円のうち、2割に相当する「2万円」だけを経費として計上できます。また、通信費10万円のうち、1割に相当する「1万円」だけを経費として計上することが可能です。

所得控除・税額控除を受ける

所得から一定金額が差し引かれる「所得控除」や、算出された税額から一定金額が差し引かれる「税額控除」といった制度・仕組みを活用することも、節税策として有効です。

以下に、16種類の所得控除を示します。

 

  • 雑損控除:災害・盗難・横領によって損害を受けた場合に受けられる
  • 医療費控除:一定金額以上の医療費を支払った場合に受けられる
  • 社会保険料控除:社会保険料を支払った場合に受けられる
  • 小規模企業共済等掛金控除:小規模企業共済の掛金を支払った場合に受けられる
  • 生命保険料控除:生命保険料などを支払った場合に受けられる
  • 地震保険料控除:地震保険料(損害保険契約の地震等損害部分の保険料)を支払った場合に受けられる
  • 寄附金控除:国・地方公共団体・政治資金団体などに対して一定の要件を満たす「特定寄附金」を支出した場合に受けられる
  • 障害者控除:所得税法上の「障害者」に該当する場合に受けられる
  • 寡婦控除:「寡婦」に該当する場合に受けられる
  • ひとり親控除:「ひとり親」に該当する場合に受けられる
  • 勤労学生控除:「勤労学生」に該当する場合に受けられる
  • 配偶者控除:所得税法上の「控除対象配偶者」がいる場合に受けられる
  • 配偶者特別控除:配偶者控除の対象外で一定の要件を満たす場合に受けられる
  • 扶養控除:所得税法上の「控除対象扶養親族」がいる場合に受けられる
  • 基礎控除:合計所得金額2,500万円以下の納税者が受けられる(控除額は合計所得金額によって変動)
  • 特定親族特別控除:「特定親族(生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族で合計所得金額が一定金額以下の控除対象扶養親族に該当しない者)」がいる場合に受けられる(2025年12月1日に施行され、2025年分以降の年分について適用)

 

また、以下に、主な税額控除を示します。

 

  • 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除):一定の要件を満たす住宅の新築・取得・増改築などを実施した場合に受けられる
  • 政党等寄附金特別控除:政党・政治資金団体に寄附した場合に受けられる(寄附金控除(所得控除)の適用を受ける場合を除く)
  • 認定NPO法人等寄附金特別控除:認定NPO法人などに寄附した場合に受けられる(寄附金控除(所得控除)の適用を受ける場合を除く)

 

税額控除に関しては、上記以外にもさまざまな種類が存在します。適用条件など、詳細に関しては、国税庁公式サイトでご確認ください。

ちなみに、「ふるさと納税」をした場合は、所得税に関して所得控除(寄附金控除)が適用されるほか、住民税に関しても税額控除が適用されます。暗号資産による所得を得た方は、控除上限額を超えない範囲で、ふるさと納税をしてはいかがでしょうか。

給与所得者の場合は所得を20万円以下に抑える

年収2,000万円以下の給与所得者(会社員、公務員、私立学校職員、私立病院職員など)の場合、暗号資産取引で得た所得が20万円以下であれば、確定申告が不要となり、暗号資産で得た所得に対して所得税が課されません(「給与所得」と「暗号資産による雑所得」の2種類以外に収入源がないケースを想定)。

そのため、暗号資産による所得が「20万円」を超えそうになったら、それ以降は利益確定を伴う取引を控えることも選択肢になります

なお、税務署への確定申告が不要な場合でも、暗号資産の売買などで所得を得たのであれば、住民税の申告は実施しなければなりません。住民税申告書の様式は、各自治体の公式サイトからダウンロードできます。印刷して必要事項を記入した上で、自治体の税務担当部署に提出しましょう。

個人事業主になる

暗号資産取引による所得は、上述したように、原則として「雑所得」です。ただし、暗号資産による年間収入金額が300万円を超え、帳簿を作成・保存している場合は、「暗号資産取引に関する事業を営む個人事業主」として認められ、雑所得ではなく、「事業所得」に区分できる可能性があります。

なお、税務署に開業届と青色申告承認申請書を提出し、「複式簿記で帳簿を作成する」「領収書などを一定期間保存する」といった条件を満たせば、最大65万円の青色申告特別控除などの特典を受けることが可能で、節税につながります。

法人化(会社を設立)する

個人が暗号資産で所得(雑所得・事業所得)を得ると、「所得税」がかかります。雑所得や事業所得は、総合課税の対象であり、累進課税が適用されます。所得税の税率は最高で45%とされており、暗号資産の売買などで多くの所得を得ると、税金の負担が大きくなるでしょう。

他方、法人化して「会社の事業」として暗号資産の売買などを実施すれば、所得税ではなく、「法人税」が課されます。法人税の最高税率は所得税の最高税率よりも低くなる場合があり、個人よりも経費として計上できる範囲が広がるため、節税につながります。暗号資産で多くの利益が出ている場合は、法人化(会社を設立)することも選択肢としてご検討ください。

ただし、法人の場合、赤字であっても法人住民税の「均等割」が課される点に注意しましょう。均等割の金額は、資本金の額や従業員数によって異なりますが、最低でも7万円かかります。

【関連記事】所得が20万円以下の場合は課税されない?暗号資産(仮想通貨)の税金について解説!

暗号資産に分離課税を導入する方針が「令和8年度税制改正の大綱」で示された

2025年12月に閣議決定された「令和8年度税制改正の大綱」で、金融商品取引法などの改正を前提として、以下の措置を講じる方針が示されました。

 

居住者等が、暗号資産取引業(仮称)を行う者に対して暗号資産(金融商品取引業者登録簿に登録されている暗号資産等に限る。以下「特定暗号資産」という。)の譲渡等をした場合には、その譲渡等による譲渡所得等については、他の所得と分離して20%(所得税15%、個人住民税5%)の税率により課税する。

 

一定の条件を満たす暗号資産取引で得た所得に対して分離課税を適用する方針で、同大綱では「金融商品取引法の改正法の施行日の属する年の翌年1月1日以後に実施する特定暗号資産の譲渡から上記措置を適用すること」も示されています。

そのため、2026年には分離課税は導入されず、現行の税制が継続され、2026年に改正法が施行された場合は2027年から、2027年に施行された場合は2028年から分離課税の適用が開始される見込みです。

改正法の審議状況や詳しい制度設計を知りたい場合は、国会の公式サイトや各種メディアの報道をこまめにチェックしましょう。

分離課税が導入されると暗号資産に課される税金の負担は軽減される?

「令和8年度税制改正の大綱」によると、分離課税での所得税率は「15%」とされる見込みです。総所得金額があまり多くなく、税率が低い場合(5%や10%の場合)は、総合課税が有利かもしれません。

他方、総所得金額(暗号資産による雑所得と給与所得などを合計した金額)が一定水準以上で所得税率が15%を超える場合は、分離課税の導入によって税金の負担が軽減されるでしょう。

株式の場合、分離課税の適用を受けるか、総合課税の適用を受けるかを納税者が選択可能です。暗号資産税制でも、株式の場合と同様に、納税者が課税方式を選択できる仕組みが構築される可能性があります。上述したように大まかな方針は大綱で示されていますが、まだ制度の詳細が公表されていないため、金融庁公式サイトなどでアナウンスされるのをお待ちください。

適正に確定申告・納税をしなかった場合、どのようなペナルティを被る?

納めるべき税金が発生しているにもかかわらず、確定申告・納税をしなかった場合や、税額を過少に申告した場合は、以下に示すようなペナルティを受ける可能性があります。

 

  • 無申告加算税:正当な理由なく期限内に確定申告を行わなかった場合に、原則として、納付するべき税額に対して、50万円以下の部分は15%、50万円超300万円以下の部分は20%、300万円超の部分は30%の税率で課される
  • 過少申告加算税:期限内に提出した確定申告書に記載されている税額が「本来納めるべき金額」よりも少なかった場合に、原則として、本来納付するべき税額と納税額の差額(追加本税)に対して、50万円以下の部分は10%、50万円超の部分は15%の税率で課される
  • 重加算税:「税額などの計算の基礎となる事実」の全部または一部を隠蔽・仮装した際に、無申告の場合は本来納付するべき税額に対して40%の税率で、過少申告の場合は追加本税に対して35%の税率で課される

 

例えば、「本来納める税額が10万円で、申告しないまま税務調査を受けた」というケースでは、本来納める税額(10万円)に加えて、無申告加算税として本来納める税額(10万円)の15%に相当する「15,000円」が課されます。

税務署からの事前通知が届く前に、自主的に期限後申告した場合は、無申告加算税の税率が5%に軽減される仕組みです。そのため、本来納める税金(10万円)に加えて、5,000円の無申告加算税が課されます。

また、期限後申告によって納める税金(本税)には、法定納期限の翌日から納付日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税も課されます。なお、延滞税は、本税に対してのみ課されるもので、加算税に対しては課されません。下表に、延滞税の割合をまとめました。

 

納期限の翌日から2カ月を経過する日まで年「7.3%」と「延滞税特例基準割合+1%」のいずれか低い割合
納期限の翌日から2カ月を経過した日以後年「14.6%」と「延滞税特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合

 

延滞税特例基準割合とは、前々年9月から前年8月までの各月における銀行の新規短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合(前年11月末までに財務大臣が告示)に、年1%を加算したものです。

具体的な数値は、国税庁公式サイトの「延滞税の割合」に掲載されています。例えば、2026年の場合、納期限の翌日から2カ月を経過する日までに関しては「2.8%」、納期限の翌日から2カ月を経過した日以後に関しては「9.1%」です。

加算税や延滞税の詳細に関しては、財務省や国税庁の公式サイトでご確認ください。不明な点がある場合は、自己判断するのではなく、税務署や税理士に相談しましょう。

近年、国税庁および税務署は、AI(人工知能)を活用し、申告漏れの取り締まりを強化しています。「2億円」を超える金額の追徴を受けるケースも発生しているのでご注意ください。

2025年12月に国税庁が公表した「令和6事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」によると、暗号資産取引を実施している個人に対する調査で判明した申告漏れ所得金額は1件あたり2,538万円、追徴税額の平均値は745万円です。暗号資産の取引で所得を得たら、必ず確定申告・納税を行いましょう。

暗号資産の損益計算は、「クリプトマネージ」で自動化できる

暗号資産の売買をするのであれば、税金のことも考えておく必要があります。スムーズに確定申告を行うために、日頃から取引記録の作成に努めましょう。その上で、作成した記録に基づいて、1年間の暗号資産トレードの損益を計算してください

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監修者情報
クリプトマネージ編集部
暗号資産(仮想通貨)の税金・確定申告・投資情報を発信する専門編集チーム。
暗号資産取引の経験を持つライター・編集者が中心となり、ファイナンシャルプランナーなどの専門家の知見も参考にしながら、初心者にもわかりやすい記事制作を行っています。
暗号資産(仮想通貨)の税金・確定申告・投資情報を発信する専門編集チーム。
暗号資産取引の経験を持つライター・編集者が中心となり、ファイナンシャルプランナーなどの専門家の知見も参考にしながら、初心者にもわかりやすい記事制作を行っています。

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