暗号資産(仮想通貨)で所得を得たら税金を納める必要がある!納税額のシミュレーション結果をご紹介
暗号資産(仮想通貨)の売買などで所得を得たら、税法に基づいて適正に確定申告・納税をする必要があります。納めるべき税金が発生しているにもかかわらず納税を怠った場合、追徴課税を受けたり、刑事罰を科されたりする可能性があるので注意しましょう。
ところで、暗号資産投資を開始する予定の方やすでに投資を開始している方は、「どのくらいの税金がかかるのだろうか」と不安をお持ちかもしれません。そこで本記事では、所得別に納税額をシミュレーションするので、ぜひ参考にしてください。
暗号資産(仮想通貨)で所得を得たら、税金を納める必要がある
日本国憲法第30条において、「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」と定められています。暗号資産の売買・マイニング・レンディングなどで所得を得たら、税法に基づいて税金を納めなければなりません。
なお、納めるべき税金が発生しているにもかかわらず、納税義務を履行しなかった場合は、追徴課税などのペナルティを受ける可能性があることにご留意ください(詳細は後述)。
確定申告する義務がある方
以下のいずれかに該当する場合は、確定申告をする(原則として確定申告書の「雑所得」の項目に暗号資産で得た所得を記載する)義務があります(暗号資産以外の副業収入がないケースを想定)。
- 年収2,000万円を超える給与所得者で、暗号資産による所得を得た場合
- 年収2,000万円以下の給与所得者で、暗号資産による所得が20万円を超える場合
- 個人事業主で、副業として暗号資産による所得を得た場合
不明な点がある場合は、国税庁公式サイトで詳細をご確認の上、税務署や税理士などにご相談ください。
確定申告の義務がなくても、住民税の申告は必須
年収2,000万円以下の給与所得者かつ暗号資産による所得が20万円以下の場合は、原則、税務署に確定申告書を提出する必要はありません。
ただし、暗号資産で所得を得たのであれば、自治体に対して「住民税の申告」をする義務はあるので注意しましょう。住民税の申告方法の詳細は、各自治体の公式サイトでご確認ください。
暗号資産の所得に課せられる税金の種類
以下は、暗号資産で得た所得に課せられる税金の種類です。
- 所得税
- 住民税
それぞれについて詳しく説明します。
所得税
所得税とは、国(税務署)に納める税金で、年間の所得額(給与所得・雑所得などの合計額)に所定の税率を乗じて算出されます。
なお、所得額が大きくなるほど税率が大きくなる「累進課税」と呼ばれる仕組みが採用されていることにご留意ください。
住民税
住民税とは、自治体(都道府県や市町村)に納める税金(地方税)です。
なお、所得税とは異なり、税率は一定です(おおむね所得額の10%)。また、住民税の額は「前年」の所得額に基づいて算出されることにご留意ください。
所得別に納税額をシミュレーション
暗号資産投資を開始する予定の方やすでに開始している方は、「どのくらいの税金がかかるのかイメージできない」と不安をお持ちかもしれません。
そこで、所得別に納税額(所得税額・住民税額)をシミュレーションするので、ぜひ参考にしてください。なお、健康保険料は健康保険組合によって異なりますが、全国健康保険協会の東京都における保険料(2023年度)に基づいて試算します。また、社会保険料控除の額は典型的な例(40歳未満で介護保険料がかからないケース)であり、個々人で異なることにご留意ください。
あくまでも「大まかな目安」を把握するためのシミュレーションです。正確な金額を知りたい場合は、税務署や税理士などにご相談ください。
給与所得250万円、暗号資産の所得50万円のケース
以下は、給与所得が250万円かつ暗号資産で50万円の雑所得を得たケースについて、所得税額・住民税額を試算した結果です(2年連続で同じ所得額だったと仮定)。
所得税に関する計算 | 住民税に関する計算 | |
所得の合計額 | 3,000,000円 | |
所得控除額 | 1,649,600円 | 1,599,600円 |
課税される所得金額 | 1,350,000円 | 1,400,000円 |
税率 | 5% | 10% |
税額 | 67,500円 | 140,000円 |
なお、課税される所得金額を算出する際には、1,000円未満の端数金額が切り捨てられることにご留意ください。また、課税される所得金額と所得税の税率の関係については、国税庁公式サイトに掲載されている「所得税の速算表」で確認しましょう。
給与所得250万円、暗号資産の所得1,250万円のケース
以下は、給与所得が250万円かつ暗号資産で1,250万円の雑所得を得たケースについて、所得税額・住民税額などを試算した結果です(2年連続で同じ所得額だったと仮定)。
所得税に関する計算 | 住民税に関する計算 | |
所得の合計額 | 15,000,000円 | |
所得控除額 | 1,649,600円 | 1,599,600円 |
課税される所得金額 | 13,350,000円 | 13,400,000円 |
税率 | 33% | 10% |
税額 | 2,869,500円 | 1,340,000円 |
なお、上記シミュレーションは、暗号資産による所得を「雑所得」として取り扱ったケースです。「暗号資産による所得額が300万円を超えている」「帳簿を作成している」などの条件を満たせば、「事業所得」として取り扱うことが可能な場合もあります。詳細は、税務署や税理士などにご相談ください。
確定申告・納税を怠った場合のペナルティ
納めるべき税金が発生しているにもかかわらず、適正に確定申告・納税をしなかった場合、以下に示すペナルティを受ける可能性があるのでご注意ください。
- 追徴課税を受ける
- 刑事罰を科されるケースもある
それぞれについて詳しく説明します。
追徴課税を受ける
納めるべき税金が発生しているにもかかわらず、確定申告・納税を怠った場合(期限までに正しい所得額を申告しなかった場合)、追徴課税を受ける(無申告加算税・過少申告加算税・重加算税を課される)可能性があります。
通常よりも多くの税金を納める事態に陥らないように、期限までに確定申告・納税の義務を履行しましょう。
刑事罰を科されるケースもある
悪質な場合は、追徴課税に加えて脱税(所得税法違反など)で起訴され、刑事罰を科される可能性もあります。
納税は、国民の義務です。暗号資産の売買などで所得を得たら、税法に基づいて期限までに適正に申告・納税をしましょう。
クリプトマネージに損益を自動計算させて、適正に税金を納めよう!
暗号資産の売買・マイニング・レンディングなどで所得を得たら、税法に基づいて確定申告・納税をしなければなりません。手作業で税額を計算することも可能ですが、多大な時間・労力を要するので、ITツールで自動化するほうがよいでしょう。
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