暗号資産(仮想通貨)の贈与を受けると贈与税が課される!課税方法や計算方法などを紹介
個人から暗号資産(仮想通貨)の贈与を受けると、贈与税を課される場合があります。また、贈与した側は、所得税の課税対象とされます。贈与を受けた側も贈与した側も、税法に基づいて適正に確定申告・納税しなければなりません。
本記事では、暗号資産の贈与を受けた方(または、これから受ける予定がある方)に向けて、贈与税がどのようなものなのかを徹底解説するので、ぜひ参考にしてください。
個人から暗号資産(仮想通貨)の贈与を受けると贈与税が課される
個人から暗号資産の贈与を受けると、現金などの贈与を受けた場合と同様に、贈与税が課されることがあります。詳細は後述しますが、贈与額が一定金額以下であれば、贈与税は課されません。
法人から暗号資産を受け取った場合は、「贈与」ではなく、「所得」とみなされて所得税の課税対象とされます。
贈与した側には所得税が課される
贈与は、受贈者(贈与を受ける側)と贈与者(贈与する側)の2者が関与する行為です。暗号資産の贈与が実行されると、受贈者(贈与を受けた側)は「贈与税」の課税対象とされます。
他方、贈与者(贈与した側)は、受贈者から対価を受け取っていないにもかかわらず、「所得税」の課税対象とされることにご注意ください。なお、「贈与した時点での市場価格」から「取得価額(購入代金や手数料など、取得に要した金額)および必要経費(回線利用料・パソコンの購入費用など)」を差し引いた金額の所得を得たとみなされます。
贈与税の課税方法
贈与税の課税方法には、以下に示す2つの種類があります。
- 暦年課税
- 相続時精算課税
受贈者は、贈与者ごとに課税方法を選択できます。ただし、相続時精算課税を選択すると、その後、同じ贈与者からの贈与については暦年課税に変更できなくなります。そのため、税理士や税務署などに相談したうえで慎重に判断しましょう。
以下、各課税方法について詳しく説明します。
暦年課税
暦年課税とは、「1年間に贈与を受けた財産の合計額」から「基礎控除額110万円」を差し引いた残額を基に、「贈与税の速算表」によって算出された金額の贈与税が課される仕組みです。
18歳以上(贈与を受けた年の1月1日時点)の受贈者が父母や祖父母などの直系尊属から贈与を受けた場合は「特例税率」が適用され、それ以外の場合は「一般税率」が適用されます。1年間に贈与を受けた財産(暗号資産を含む)の合計額が、基礎控除額の110万円以下であれば、贈与税がかかりません。
相続時精算課税
相続時精算課税とは、贈与者から1年間に贈与を受けた財産の合計額を基に算出された金額の贈与税を納付し、贈与者が亡くなった際の相続税額で精算する仕組みです。相続時精算課税を選択するためには、受贈者および贈与者が以下に示す条件を満たさなければなりません。
- 受贈者:贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上、かつ、贈与者の直系卑属である推定相続人または孫
- 贈与者:贈与した年の1月1日時点で60歳以上(父母や祖父母など)
相続時精算課税を選択した場合、贈与を受けたら、以下の式で算出される金額の贈与税を納付します。
(「1年間に贈与を受けた財産の合計額」から「基礎控除額110万円」および「特別控除額2,500万円(前年以前に特別控除を適用した金額がある場合、その金額を差し引く)」を控除した金額)×0.2
そのうえで、贈与者が亡くなった際、贈与財産と相続財産の合計額を基に相続税額を計算し、既に納付した贈与税額を控除します。
暦年課税を選択した場合の贈与税額の計算例
暦年課税を選択した場合の贈与税の計算過程を示します。詳細は、国税庁公式Webサイトでご確認ください。
以下は、特例税率が適用されるケースの「贈与税の速算表」です。
| 基礎控除後の課税価格 | 200万円以下 | 400万円以下 | 600万円以下 | 1,000万円以下 | 1,500万円以下 | 3,000万円以下 | 4,500万円以下 | 4,500万円超 |
| 税率 | 10% | 15% | 20% | 30% | 40% | 45% | 50% | 55% |
| 控除額 | - | 10万円 | 30万円 | 90万円 | 190万円 | 265万円 | 415万円 | 640万円 |
例えば、贈与財産の価額が1,500万円の場合、基礎控除後の課税価格が1,500万円-110万円=1,390万円なので、贈与税額は1,390万円×0.4-190万円=3,660,000円と算出されます。
また、以下は、一般税率が適用されるケースの「贈与税の速算表」です。
| 基礎控除後の課税価格 | 200万円以下 | 300万円以下 | 400万円以下 | 600万円以下 | 1,000万円以下 | 1,500万円以下 | 3,000万円以下 | 3,000万円超 |
| 税率 | 10% | 15% | 20% | 30% | 40% | 45% | 50% | 55% |
| 控除額 | - | 10万円 | 25万円 | 65万円 | 125万円 | 175万円 | 250万円 | 400万円 |
例えば、贈与財産の価額が1,500万円の場合、基礎控除後の課税価格が1,390万円なので、贈与税額は1,390万円×0.45-175万円=4,505,000円と算出されます。
贈与以外でも、売買などで暗号資産で所得を得た場合には課税される
暗号資産に関して課税対象とされるのは、贈与を受けた場合だけではありません。以下に示す状況では、「暗号資産によって所得を得た」とみなされ、所得税の課税対象とされることがあります。
- 取得時よりも値上がりしているタイミングで、暗号資産を売却した場合
- 取得時よりも値上がりしているタイミングで、別の銘柄の暗号資産に交換した場合
- 取得時よりも値上がりしているタイミングで、暗号資産を決済手段として用いて商品を購入した場合
- マイニングやレンディングなどで暗号資産を取得した場合
保有している暗号資産のハードフォークによって新たな銘柄を得た場合は、取得時点では市場価格が形成されていないため、所得を得たとみなされません。ただし、その後に売却または使用した時点で所得が生じます。なお、この場合の取得価額は0円として扱われます。
1.~3.は、「売却・交換・決済した際の市場価格」から「取得価額(購入代金や手数料など、取得に要した金額)」および「必要経費(回線利用料・パソコンの購入費用など)」を差し引いた金額の所得を得たとみなされます。4.は、「取得時の市場価格」から「必要経費」を差し引いた金額の所得を得たとみなされます。
自分のウォレット・口座間で送金するケースは課税対象外
保有している暗号資産を、あるウォレットから別のウォレット(いずれも自分のもの)に送金しただけであれば、課税対象とされません。
また、ある取引所の口座から別の取引所の口座(いずれも自分名義)に送金したケースも、課税対象外です。
暗号資産の贈与や売買などを実施する場合は「クリプトマネージ」で管理しよう
暗号資産の受贈者には、贈与税が課される場合があります。他方、贈与者には、所得税が課される点に注意しましょう。また、暗号資産の売買や他銘柄への交換などで所得を得た場合には、所得税が課されます。
暗号資産の贈与を受けたり、暗号資産の売買などで所得を得たりする場合は、確定申告に備えて記録を作成・保存しておかなければなりません。そして、記録に基づいて損益計算を実施し、納税額を算出して確定申告する必要があります。手作業で管理し、損益計算を実施することも可能ですが、多大な時間・労力を要するため、ITツールで自動化しましょう。
おすすめのITツールは、株式会社イー・ラーニング研究所の「クリプトマネージ」です。暗号資産の専門知識を持つ税理士が開発に携わっており、最新の税法に合わせて随時計算ロジックが自動改訂される仕組みです。主要取引所のデータをスムーズに取り込めるほか、手元のウォレットで保管している暗号資産にも対応可能なので、ぜひご活用ください。

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